『柔軟な対応を』
シンワークス泉佐野の利用者で、K市にお住まいの高次脳機能障がいと下肢に障がいを持った、私と同い年の男性がおられます。
彼の場合、俗に言うひきこもりではなく、歩行困難のために自力で外出が難しいので、結果的に自宅でのフルリモート支援をしています。
とにかく真面目で、毎月一日も休むことなくパソコン作業や訓練を精力的にこなされています。
世間では一旦退職することが多い年齢にもかかわらず、どうしてもテレワークで就職したいという希望を持っていて、前々から相談を受けていました。
作業と並行して日々MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)の資格の学習を続けていて、この資格試験を受けたいけれど、ひとりで会場まで行けないので助けてほしいとのこと。
うちは就労支援事業所で、かつ送迎サービスすらやっていないので、移動支援というサービスを使ってみてはどうかと、以前にK市の相談支援事業所を紹介しましたが、あえなく断わられてしまいました。
彼の自宅で面談する機会があったので、その足で直接K市役所の障がい福祉課に乗り込みましたが、やはり認められないとのことでした。
事業所に戻りインターネットで調べてみたところ、
①通勤、営業活動等の経済活動にかかる外出
②通年かつ長期にわたる外出
③社会通念上適当でない外出
これらについては、基本的にNGなんだそうです。
市町村単位ではなく国が行う重度視覚障がい者対象の同行援護や知的障がい者や精神障がい者対象の行動援護などのサービスもありますが、いずれも種別や区分が対象外で、たとえ利用できたとしても上記3つのケースはおおむね認められないようです。
普通は家族なりがバックアップしてくれるところ、彼の場合はまったく邪魔者扱いされていて、話も聞いてもらえないと嘆いています。
単発だし経済活動にかかるとは言えない資格試験の同行くらい認めたらどうかと思います。
また通勤にヘルパーが同行さえすれば、会社勤めができる障がい者は、世の中にたくさん存在するんじゃないでしょうか。
いろいろと複雑怪奇な大人の事情があるにせよ、人口減少や労働力不足対策という見地から、もっと柔軟な考え方を示してくれてもいいのになぁ。
関連記事